ちむくい達を紹介します
ち(ちいさい)む(むし)く(くさ)い(いきもの)達
写真(クリックして拡大)と文は宮元伸也さん
< 11ー12月 赤い赤い実 >
晩秋から初冬に、玉川上水路で見られる赤い実です
〇イチイ(イチイ科)(11月) 別名:オンコ、アララギ
上水路では、イチイは小川水衛所跡からいちい橋の間に数本が散在し、橋の名の由来になっています。10月を過ぎると種子をおおう仮種皮が透き通るような赤い色になり、緑の葉の間に見えてきます。仮種皮は甘くて食べられますが、種子は。食べられません。 年々枯れ枝が目立つようになっています。
〇サネカズラ(マツブサ科)(11月)別名:ビナンカズラ
常緑のつる性の木です。柵に絡まっているのを撮りました。
8月頃に黄白色の花を咲かせますが、葉の影で目立ちません。でも秋になり真っ赤な実を球状にぶら下げた姿には一段と目を惹かれます。
別名のビナンカズラの名は、昔樹皮から取ったねばねばした液を整髪に使ったからだそうです。
○シロダモ(クスノキ科)(11月)
上水路でよく見られる常緑の木です。
シロダモの実は花が咲いた翌年の秋に赤く熟します。一つの枝に赤い実と花が同時期に見ることもできます。
この木は雌雄異株で、雌株は葉の脇から雌花の集まりを点々と咲かせますが、雄株の雄花は雌花より密集させて咲いています。 名前は、葉の裏が白いことに由来します。
〇ノイバラ(バラ科)(11月)
上水路で普通に見られる落葉の低木ですが、よく枝分かれして他の低木に寄りかかっていることがあります。
秋も深まり落葉後に、赤い実をつけた小枝が風に揺れるさまは風情を感じます。
完熟した実は甘く香りがよいといわれ、口にしましたが、それほど…。時期が早かったのかもしれません。再挑戦予定!
〇ガマズミ(スイカズラ科)(11月)
上水路では日当たりのよい右岸で見ることができます。
花は5月ごろ白い小さな花を多数つけます。実は10月には赤く熟し、晩秋の頃には更に美しい深紅になります。渋く酸味が強い実ですが完熟すると甘くなるといわれています。
果実酒にして色を楽しむ方もいるようです。
〇コマユミ(ニシキギ科)(11月)
コマユミと庭に植えられているニシキギは似ており違いが分かりにくいです。区別は、ニシキギの枝にはコマユミに無いコルク質の翼があることです。 コマユミとニシキギはともに秋の紅葉と赤い実が美しいことで知られています。メジロ、シジュウカラ、小ゲラなどの小鳥が好んで食べます。
〇ツルウメモドキ(ニシキギ科)(11月)
落葉つる性の木、他の木に絡みながら上へと延びていきます。
木々の葉が落ちる初冬になると、熟した黄色い実は3つに割れて真っ赤な種子は現れます。ケヤキのてっぺんまで延びたこの実をヒヨドリがついばんでいるのを見たことがあります。
以前、ツルウメモドキはよく見られましたが、近年上水路の整備でつる性の草木の多くが刈られ、以前より少なくなったようです。
〇ゴンズイ(ミツバウツギ科)(11月)
実が熟し、肉厚で真っ赤な果皮が裂けると中に黒く光沢のある種子が1~2個現れます。赤と黒の組み合わせはなかなかおしゃれだと思います。
落葉樹ですが、落葉の前に葉が紫褐色を帯びるのも粋な感じがします。
〇ヤブコウジ(ヤブコウジ科)(12月)
高さ15cm程度の落葉小低木です。
初冬に5mm程度の赤い実をつけますが、木の丈が低いことと大きな葉の裏にあるため気づく方は少ないようです。
上水路では南側(右岸)の日当たりのよい柵の下で見ることができます。
ヤブコウジは正月飾りに鉢植えで使われることもあります。
〇ヒヨドリジョウゴ(ナス科)(12月)
他の草や木、柵などに絡みつく、つる性の草です。
10月頃に赤く熟しますが、秋が深まるとさらに赤味が増して美しく透き通るようになります。
上水路では普通に見られます。
なお、ヒヨドリジョウゴの実はおいしそうですが、毒性の物質を含んでいるので食べられません。
〇カラスウリ(ウリ科)(12月)
誰もが知っているお馴染みのカラスウリです。
赤く色づいた実が北風に揺れるさまは晩秋~初冬の風物詩ではないでしょうか。
近年上水路ではあまり見ることができません。土手の整備の際、草木に絡むつる性の植物は刈り払われているのかもしれません。
〇コゲラとマユミ(ニシキギ科)
上水路でマユミはごく普通に見られます。
実は11月頃に淡紅色に熟し、更に熟すと実は4つに裂け中から橙赤色の皮に包まれた種子が現れます。
この橙赤色の実は小鳥たちの大好物のようです。
〇メジロとマユミ(ニシキギ科)
上水路ではこの2~3年、花は咲きますが実の出来があまりよくないようです。
2枚の鳥の写真は3年前(2011年12月)に撮ったものです。このマユミの木は昨年、一昨年ほとんど実をつけませんでした。
実はなぜ赤い?