津田団地のクマゼミ


 8月の初めの朝、玉川上水の子供観察会のために集合場所の津田団地の内の津田公民館に着くと、周囲の樹木から予想もしないクマゼミの大合唱。ここは西日本かと疑ってしまうほどの異様さです。

 公民館から玉川上水に移動すると、そこはアブラゼミ、ミンミンゼミ、ツクツクボウシ、ニイニイゼミの鳴き声が降り注ぐようです。午後、観察会が終わって、公民館に戻るとクマゼミの鳴き声は嘘のように聞こえません。面白いことにクマゼミが鳴くのは午前中のみで、午後1時をすぎると鳴き止んでしまいます。

 解散後に周囲の団地でクマゼミの抜け殻を探すと33個が見つかりました。地元の方に伺うと30年ほど前に団地ができた際に、生垣として植えた樹木にクマゼミの幼虫か卵がついてきて、その後、次第に増えたようです。夕方、玉川上水はヒグラシの合唱でした。後日、2回の抜け殻を調査して合計72個が見つかりました。ここのクマゼミは国内移動による外来種(国内外来種)にされると思いますが、都内でも珍しい6種類のセミが棲息する場所です。                         小口記