=== パネリスト紹介 ===

小泉武栄(こいずみたけえい)

1948年長野県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。理学博士。現在、東京学芸大学名誉教授。専門は自然地理学、地生態学。植生分布と地形・地質、自然史との関わりや、身近な自然の生い立ちを研究してきた。著書に『山の自然学』(岩波新書)、『自然を読み解く山歩き』(JTBパブリッシング)、『ここが見どころ 日本の山』(文一総合出版)、『日本の山と高山植物』(平凡社新書)など。


高槻成紀

(たかつき せいき)

東北大学、東京大学、麻布大学獣医学部教授を歴任。専門は保全生態学。宮城県金華山のシカに次いで、岩手県五葉山のシカの研究をする。最近は長野県のアファンの森の動植物を調べている。玉川上水でも動植物の調査をしたこともある。著書に「北に生きるシカたち」(どうぶつ社)、「歯から読みとるシカの一生」(岩波書店)、「野生動物と共存できるか」、「動物を守りたい君へ」(岩波ジュニア新書)など。


関野吉晴

(せきの

よしはる)

1949年1月20日東京都墨田区生まれ。

一橋大学在学中に同大探検部を創設し、1971年アマゾン全域踏査隊長としてアマゾン川全域を下る。

その後25年間に32回、通算10年間以上にわたって、アマゾン川源流や中央アンデス、パタゴニア、アタカマ高地、ギアナ高地など、南米への旅を重ねる。その間、現地での医療の必要性を感じて、横浜市大医学部に入学。医師(外科)となって、武蔵野赤十字病院、多摩川総合病院などに勤務。その間も南米通いを続けた。

 1993年からは、アフリカに誕生した人類がユーラシア大陸を通ってアメリカ大陸にまで拡散していった約5万3千キロの行程を、自らの脚力と腕力だけをたよりに遡行する旅「グレートジャーニー」を始める。南米最南端ナバリーノ島をカヤックで出発して以来、足かけ10年の歳月をかけて、2002年2月10日タンザニア・ラエトリにゴールした。

 2004年7月からは「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」をスタート。シベリアを経由して稚内までの「北方ルート」、ヒマラヤからインドシナを経由して朝鮮半島から対馬までの「南方ルート」を終え、インドネシア・スラウェシ島から石垣島まで手作りの丸木舟による4700キロの航海「海のルート」は2011年6月13日にゴールした。



=== パネルディスカッション・コーディネーター ===

新里達也(にいさとたつや)

1957年9月、東京生まれ。農学博士。技術士。現職は㈱環境指標生物代表取締役。

専門は昆虫類(カミキリムシ科甲虫)の生物学。東アジアをフィールドに世界的視野で研究活動を続けている。また、保全生態学を背景にした野生生物の実態調査や保全計画では30年余の実務経験をもつ。日本獣医生命科学大学、武蔵野大学ほかで保全生態学や環境アセスメントの講義をもつほか、地方自治体や民間企業における講師・委員を務める。主な著書に「日本産カミキリムシ(共編)」、「カミキリ学のすすめ(編著)」「野生生物保全技術第二版(共編)」、「技術士ハンドブック(分担執筆)」などがある。近年は第二次明治神宮境内総合調査事務局を努めている。