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 <<  「草木の花」 初夏~梅雨の頃  >>

                  みずみずしい花達をを紹介します

オニノヤガラ    (H29.6.1)   

 上水路の林内でまれにみられるランの花です。葉緑素を持たずナラタケの菌糸と共生して栄養を得ています。通常、茎と花は黄褐色ですが、上水路では淡緑黄色を帯びていることから「アオテンマ(アオオニノヤガラ)」と思われます。オニノヤガラは東京都の絶滅危惧種(VU)です。 

オニノヤガラ(花の拡大)  (H29.6.1)  

花は、葉が無い花茎の上部に整然と並んで咲きます。シュンラン、キンランとは花の感じは違いますが、淡緑色の壷とその内側で淡黄色に囲まれた部分を見るとランの花の構造であることがなんとなく分かります。

近辺でこの花が咲いたのは6年ぶりです。来年も期待したい花のひとつです。


オカトラノオの群落       (H29.6.16)    

 日当たりのよい草原に生える多年草です。上水路の右岸にある自生野草観察ゾーンでは群落が見られます。なかには茎先の白い花(トラの尾)が短いものの群落もあります。一つ一つの花はルーペで見るとかわいらしいです。

ホタルブクロ    (H29.6.16)    

草はらや林縁に咲く多年草です。日当たりがよい場所では、他の茂った草にまぎれて見つけにくいかもしれません。左岸の上水路の柵内や新堀用水脇では見やすい場所に咲いていることがあります。武蔵野の草原が思い起こされるかわいらしい花です。


ノカンゾウ   (H29.6.23) 

上水路では普通に見られ、自生野草観察ゾーンではややまとまって咲いています。橙赤色の色は明るいものや濃いものなど変化があり、緑一色の草はらの中で際立っています。梅雨時に、花びらや雄しべ、雌しべに付いた水滴を見るのも散歩の楽しみです。

 

ヤブカンゾウ (H29.6.23) 

ヤブカンゾウの別名はオニカンゾウ、その雰囲気が感じられます。花は雄しべと雌しべが花びらに変化して八重咲きになっています。なにかごちゃごちゃした感じですが存在感はあります。ノカンゾウと比べると全体にやや大型です。ノカンゾウと混在して咲いています。


ネジバナ (H29.6.17)  

日当たりのよい草地や明るい林下に生えます。この時季繁茂する草にまぎれて探しにくいかもしれません。淡紅色の小さな花がラセン状に連ねて咲く様子は独特です。ラセンのねじれ方(巻き方)は左右の両方があり特に定まっていないようです。公園の芝生で咲いているのをよく見かけます。

ムラサキシキブ (H29.6.10) 

ムラサキシキブ(紫式部)の名は、秋に実る果実の美しい紫色にちなんでいるそうです。6月ころ周囲が緑一色の中、小さな淡紅紫色の花は目立ちませんがなかなかきれいです。散策中花のそばを歩くとほのかによい香りが感じられます。上水路では普通に見られる低木です。


ネジバナ(花の拡大)  (H29.6.28) 

花の色には場所により濃淡が見られ、写真の花は特に濃くきれいでした。拡大して見ると花のつくりは繊細でランの花らしい美しさが感じられます。

ヤマハギ  (H29.6.16) 

ハギの花は秋の七草のひとつです。上水路では6月の半ばを過ぎるころから咲き始め、10月頃まで咲き続けます。写真は初々しいはしりの花です。でも秋ばむ頃、枝垂れて咲く花に風情を感じます。


テイカカズラ  (H29.6.19)

 常緑のつる性の木で気根を出して樹木の幹をよじ登ります。近年上水路ではツタなどのつる性の木が除去され、高く梢近くまで伸びたツルが見られなくなりました。今はネズミモチなどの低木に伐採後に伸びたツルが花を咲かせ、以前より花を間近に見られるようになりました。

テイカカズラ(花の接写)(H29.6.23)

近づいて見ると、すっきりとした美しい花だと思います。咲き始めの白い花は徐々に淡黄色に変化をします。鼻を近づけるとよい香りが感じられます。



            ヒメジョオンを訪れる虫たち

モンシロチョウ (H29.6.10) 

上水路の白い花は春先のハルジオンの花が終わると、ヒメジョオンに交代し、あちこちに小さな群を作って初冬まで咲き続けます。モンシロチョウが蜜を求めてやってきました。このチョウはキャベツ畑で舞っていた一昔前と比べるとずいぶん少なくなりました。

ベニシジミ   (H29.6.16) 

ベニシジミは上水路の草はらでふつうに見られます。このチョウは春型で、暑くなるとやや小さくて黒っぽい夏型が出てきます。オカトラノオ、オミナエシ、ツルボなどいろいろな花で蜜を吸いにやってきます。


キクスイカミキリ  (H29.6.23) 

10mm程の小さなカミキリムシです。薄く粉を吹いたような黒い翅、胸の背に橙色の斑点などなかなかおしゃれです。でもヨモギや菊などキク科の植物にとっては、葉や茎をかじる害虫です。ちなみにハルジオン、ヒメジョオンもキク科です。

スカシヘリカメムシの仲間 (H29.6.23)

カメムシの多くは植物の葉、茎、果実、花などに注射針のような口を差し込んで液を吸います。ヒメジョオンの花にもハチやアブほど多くないですが、カメムシの仲間が飛んできます。


ササグモ、ハチを襲う    (H29.6.23)          

花粉や蜜を求めて飛んでくる虫たちは油断出来ません。花の下に潜んでいたササグモがつかまえたハチを食べていました。オカトラノオ、オミナエシ、ノギクなど花の陰にはきっと体色を周囲の色でカモフラージュしたクモ達が待ち受けています。