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 << 第35回 玉川上水路で出会ったカメムシたち >>

                                        写真と文は宮元伸也さん

写真はクリックすると拡大表示します

今回はこれまで機会ある毎に撮っておいたカメムシの画像を紹介します。害虫だし臭いのが厭などと嫌われ者ですが、バラエティに富み美しくかわいらしいものもいます。上水路の緑に潜む、カメムシ達を探して見ませんか。


1.ブチヒゲナガカメムシ       (2015.6.30)

 アメリカオニアザミの総苞(花の下部)にいました。

体長:10~14mm 見られる時期:4~10月

食性:植食性  すみか:植物上

赤褐色と茶褐色の色分け、小楯板(*末尾参照)の白斑が特徴的です。ブチヒゲは触角が淡黄と黒のブチになっているからでしょうか。マメ科やキク科などに付き、大豆、ゴマ、稲などから吸汁する害虫だそうです。

2.チャバネアオカメムシ       (2017.4.29)

ツリバナの花に口吻(ストロー状の口)を刺しています。

体長:10~12mm 見られる時期:4~10月

食性:植食性  すみか:植物上

緑色の体に茶色い翅が美しいカメムシです。越冬時には全体が褐色になります。雑木林内で見られますが、果樹(柑橘、ナシなど)にとっては害虫です。

 



3.ナガメ                         (2015.4.6)  

 外来種のイヌカキネカラシ(外来種)の花で交尾中です。

体長:8~9mm  見られる時期:4~9月

食性;植食性  すみか:植物上

赤と黒の模様がきれいなカメムシです。春に菜の花に付いているのをよく見ます。「ナガメ」の名は菜の花に付くことによります。

4.ナカボシカメムシ        (2014.5.10)

 玉川上水の擬木の柵上にいました。 

 体長:8~9mm  見られる時期:4~11月

 食性:植食性? すみか:樹上?

色と斑点の組み合わせた個性的な模様がかわいらしいです。コナラやクヌギに集まるそうです。樹皮裏などで成虫越冬します。



5. シラホシカメムシの仲間(類似種あり)(2014.9.6)

 常緑の木(樹種不明)の葉の上にいました。

  体長:約5mm   見られる時期:4~11月

 食性:植食性  すみか:樹上?

まだら模様で、丸くて小さいかわいらしいカメムシです。雑木林で見られます。冬は樹皮下で成虫越冬するそうです。

6. キマダラカメムシ           (2015.5.23)

小枝(樹種不明)で交尾していました。

体長:20~23mm 見られる時期:4~11月

食性:植食性   すみか:植物上

黒褐色の背に黄色い細かか斑点と小楯板(*)から頭部へ縦の黄色い線が特徴的です。

南方から徐々に分布を広げている外来種です。サクラその他の街路樹、カキノキなどにも付くそうです。



7.ウズラカメムシ       (2015.6.27)

イネ科植物の穂についていました。

体長:8~10mm  見られる時期:4~10月

食性:植食性  すみか:植物上

 暗褐色の体に淡黄褐色の縦じま、尖った頭部が目立ち、また赤い触覚と赤い眼もかわいらしい。名はずんぐりした体形、模様が鳥のウズラに似ていることによります。

 ススキ、ノコログサなどイネ科の植物に集まります。

8. ウシカメムシ          (2018.9.14)

イネ科の葉の上にいました。

体長:8~9mm  見られる時期:4~11月

食性:植食性   すみか:植物上

胸の両端が牛の角のように尖っているのが特徴で、名の由来でもあります。小さくまとまったかっこういいカメムシです。アセビ、サクラなどの樹液を吸います。



9. ハナダカカメムシ       (2014.6.13)

ヤブジラミ(セリ科)の若い果実に口吻を刺していました。

体長:5~6mm   見られる時期:5~10月

食性:植食性   すみか:植物上

ヤブジラミの果実ほどの大きさの黒褐色の小さなカメムシです。凸状に盛り上がった小楯板(*)が特徴です。

同じセリ科のセリ、ミツバにも付くそうです。

10. エビイロカメムシ       (2014.8.17)

ススキの葉に止まっていました。

体長:14~19mm  見られる時期:4~10月

食性:植食性  すみか:植物上

通常、淡い黄褐色から赤褐色をしています。三角形の尖った頭と胸部の尖っている両脇が特徴です。ススキなどイネ科の植物を吸汁します。

 



11.アカスジカメムシ       (2011.6.19) 

 ヤブジラミの果実口吻を刺していました。

体長:10~12mm  見られる時期:5~10月

食性;植食性   すみか:植物上

黒地に赤い筋が目立ち、おしゃれな柄が印象的です。翅は見えませんが、腹部を覆う大きな小楯板(*)の下にあり、飛ぶときは隙間からすり出てきます。ヤブジラミのほかウド、ニンジンなどセリ科の花や葉でよく見られます。

12. セアカツノカメムシ      (2014.6.17)

不明の樹の葉上にとまっていました。

体長;14~18mm  見られる時期;5~10月

食性:植食性   すみか:樹上

赤い小楯板(*)、胸部両脇に黒く尖った角、透けた翅の下に見える赤い腹部などが特徴です。基調の青緑色もきれいです。ミズキ、ヒノキなどの葉に付くそうです。



13. エサキモンキツノカメムシ    (2018.9.5)

畑の野菜の上にとまっていました。

体長:10~14mm 見られる時期:5~10月

食性:植食性  すみか:樹上

小楯板(*)には、名の由来の黄色いハート型の紋、胸部両脇の先が黒い尖った角もなどが特徴です。ミズキ、サンショウなどにも付くそうです。

14 ハサミツノカメムシ       (2018.10.9)

玉川上水の鉄柵の上を歩いていました。

体長:17~19mm  見られる時期:4~10月

食性:植食性(ミズキの果実など) すみか:樹上

緑の地色に胸の両端の赤い角、腹部端の赤いハサミ状の大きな突起(雄)が個性的な美しいカメムシです。



15  ハリカメムシ        (2013.5.5)

ハルジオンの花で蜜を吸っていました。

体長:10~12mm  見られる時期:4~10月

食性:植食性  すみか:植物上

全体が褐色で、胸部の両端は尖っている。キク科、イネ科、タデ科に付いているのをよく見かけます。地味なカメムシです。

 

16. クモヘリカメムシ        (2016.9.25)

イネ科の穂先に一見これカメムシ?がとまっていました。

体長:15~17mm   見られる時期:5~10月

食性:植食性   すみか:植物上

緑色の細身の体に長い脚と長い触角がスマートでおしゃれです。雑木林の下草で見かけます。稲の害虫として知られています。



17. キバラヘリカメムシ             (2013.9.27)

オニドコロの葉上で交尾していました。

体長:14~17mm   見られる時期:4~11月

食性:植食性    すみか:植物上

背面は茶褐色で地味です。でも黄色の腹面、腹部縁の淡黄と黒のフリル、ニーソックスをはいたような白と黒の脚の色分けがおもしろいです。マユミ、ツルウメモドキでよく見かけます。

18. ホオズキカメムシ       (2018.10.9)

イヌホオズキと思われる葉上にいました。

体長:10~14mm  見られる時期:4~10月

食性:植食性   すみか:植物上

全体が茶褐色の長く体表面に細かい短毛があります。お相撲さん思わせる太い後脚が特徴です。ナス、トマト、ピーマンなどナス科の(ホオズキもナス科です)作物の害虫として知られています。



19. ホソヘリカメムシ               (2012.9.27)

 ヌスビトハギの先端に止まっていました。

体長:14~17mm   見られる時期:4~10月

食性:植食性   すみか:植物上

赤褐色で細長い体とトゲがある長く太い脚が特徴です。まだら模様の触覚も魅力的です。マメ科を好み、枝豆、エンドウの害虫として知られています。

20.ヒメジュウジナガカメムシの仲間 (2018.9.28)

 ユウガギクの蜜を吸っていました。

 体長:8mm程度  見られる時期:4~10月

食性:植食性   すみか:植物上、地表

黒地にクロスした朱色の模様が美しく印象的です。類似種にやや大きなジュウジカメムシがいます。花や果実に付きます。



21. セスジナガカカメムシ    (2007.5.27)

 柔らかそうな草の葉陰を動き回っていました。

体長:8mm前後  見られる時期:4~10月

食性:植食性    すみか:植物上、地表上

 鮮やかな赤に縁取られた黒い紋が目立つ、美しいカメムシです。ボタンヅルに(キンポウゲ科)に付くそうですが、玉川上水には無いので仲間のセンニンソウに来るのでしょうか。

十数年前の写真です。その後見る機会がありません。

22. イトカメムシ       (2014.9.8)

 エノキの葉裏で交尾していました。

体長:6~7mm   見られる時期:5~8月

食性:植食性もしくは雑食性 すみか:植物上

一見カメムシとは思えない、細くて長い褐色の小さなカメムシです。脚や触覚も極細です。クサイチゴ、クズなどのほかアブラムシ(アリマキ)を捕らえて吸汁するそうです。



23. マルカメムシ      (2012.5.19)

 クズの葉に付いていました。

体長:5~5.5mm   見られる時期:4~10月

食性:植食性   すみか:植物上

やや緑がかった褐色の小さくて丸いカメムシです。一見甲虫のように見えます。かわいらしいですが、臭いはきついようです。クズの葉に群れていることがあります。

24. ミツボシツチカメムシ  (2016.3.29)

 ハコベの花が咲く頃、イネ科の葉先に止まっていました。

体長:4~6mm   見られる時期:4~5月

食性:植食性   すみか:地中や地表

これもカメムシとは、甲虫のハムシの仲間かと思いました。艶のある黒地に小さく三つの白い斑点、おしゃれです。シソ科のオドリコソウ、ヒメオドリコソウを吸汁するそうです。



25. アカスジキンカメムシ (2012.6.3)

 アジサイの葉に体を隠そうとしていました。

体長:17~20mm  見られる時期:6~8月

食性:植食性    すみか:植物上

光沢がある緑色の地に赤いスジ模様が美しい大きなカメムシです。小楯板(*)が大きく腹部を覆っているため翅は隙間からすり出して広げます。

小楯板(しょうじゅんばん=左右の翅の付け根の三角状の部分) 

以上、玉川上水で見たカメムシの一部を紹介しました。 

◆カメムシの説明について、主に次を参考にしました。

・カメムシ博士入門 全国農村教育協会

昆虫サイト「昆虫エクスプローラ」

 

・虫の紹介サイト東京23区内の虫」