ちむくい達を紹介します
ち(ちいさい)む(むし)く(くさ)い(いきもの)達
写真(クリックして拡大)と文は宮元伸也さん
< 「クモの食事」と9,10月の花/虫 >
ハチを捕らえたササグモ(6月)
タカトウダイ(トウダイグサ科)の花は、黄色くぼけて見えますが5mm未満の小さな杯状をしています。花の中央部から蜜を出すため大小さまざまな虫集まってきます。
葉陰に潜んで狙っていたササグモが小さなハチを捕らえていました。
ヒラタアブを捕らえたハナグモ(6月)
ノイバラ(バラ科)の花に鼻を近づけるとよい香りがします。香りは虫を誘う効果があるのでしょうか、蜜を求めてやってきた虫にクモは狙いを定めます。
獲物は自分より大きなヒラタアブの仲間でした。
ハチを捕らえたアズチグモ(9月)
秋の七草の一つオミナエシ(オミナエシ科)の鮮やかな黄色い花の中でこのクモがよく見つかります。ただまったく花と同色のためよく探さねばなりません。
写真を見てすぐ分かりましたか?
アズチグモは上述のハナグモと同じカニグモ科です。二対の長い前足を広げて獲物を待つ姿はカニに似ています。
クモ(未同定)が捕らえた不明の幼虫?(5月)
クモに襲われる場所は花に寄せられたときだけではありません。オカトラノオの葉の上で幼虫らしきものが捕まっていました。
生き物の世界は「食うか、食われるか。」、食われる側にとっては油断も隙もありません。
ハムシの仲間を捕らえたササグモ(6月)
ノカンゾウ(ユリ科)の花びらの上で捕まったハムシにはよく見ると花粉が少し付いています。
花の中で捕まったのか、花から出たところを捕まったのか。
それにしても脚の剛毛、房状の蝕肢(触覚のようなもの)、前方を向いた二つの単眼(全部で8つある)など、拡大して見るとちょっと怖いです。
アブの仲間を捕らえたアズチグモ(7月)
ヤブガラシ(ブドウ科)で待ち伏せていたアズチグモが体長よりはるかに大きいアブを捕まえていました。
アズチグモの仲間はチョウやガも捕食するそうです。
ヤブガラシの花で黄赤色に見えるのは雌しべを囲む花盤(盃状のもの)の色です。ここから蜜が滲み出し、ハチやアブ、チョウ、アリなど多くの虫がやってきます。
ヤブマメの花に止まるアズチグモ(10月)
ヤブマメ(マメ科)の花の大きさが1.5~2cm程度とすると、このクモの大きさは6mmほどでしょ。大きさと色からオスと思われます。
どのような虫を捕らえるか、しばらく待ちましたが、残念ながら虫の来訪はありませんでした。
ジョロウグモのクモの巣(10月)
網の直径は80cm程ありました。上述したクモたちは獲物を取るための網を張らず、花や葉の陰でじっと待つだけです。
同じ待ち伏せでも大きな網を張って待つのとどちらの効率がよいでしょうか。
少し前に網に掛かったアブを糸でぐるぐる巻きにして食事中です。上のほうに小さく細いオスがいます。
ベニシジミとワレモコウ(10月)
ベニシジミは4月下旬から見られますが、野草観察ゾーンでは夏の暑いときよりも初秋の頃によく出会います。
ワレモコウ(バラ科)は8月の中ごろから咲きはじめます。
ワレモコウの穂は小さな花の集まりで上の方から咲きはじめますが、この花は中ほどまで下がり、黄色い花粉が見えます。
カラスノゴマ(シナノキ科)(9月)
玉川上水ではふつうにみられます。高さは30~50cmですが、花が葉の影でさくため、散歩中には気づかないで過ぎてしまうかもしれません。
名は、花後の鞘に入った黒い種子をカラスが食べるゴマにたとえたといわれています。
カリガネソウ(クマツヅラ科)(10月)
変わった形をした花ですが、花の様子を雁に見立てたといわれています。野草観察ゾーンで見られます。
玉川上水下流の小桜橋付近に大きな株がありましたが、10月初めに他の草と一緒に刈り取られていました。
カリガネソウは、「東京都レッドリスト」北多摩域で絶滅危惧ⅠA類(CR)「ごく近い将来における野生での絶滅に危険性が極めて高いもの」に区分され、貴重な植物です。
ヒガンバナ(ヒガンバナ科)(9月)
お彼岸が近くなると玉川上水のあちこちでこの真っ赤な花を見ることができます。
ヒガンバナは古い時代に中国から渡来した帰化植物だといわれていますが、季節の花として今の日本に定着しているように思います。
這い上がってきたアリと一緒に撮ってみました。