玉川上水46億年を歩く①羽村~武蔵砂川

10月18日(日)、ショートウォーク第1回は青空が広がるウォーキング日和になりました。

羽村堰(地球誕生)から冥王代を行く

10時に羽村駅に集合し、準備体操。羽村取水堰まで歩き、加藤嘉六さんに玉川上水の概要と羽村堰のお話をしていただきました。

 

羽村堰は多摩川が大きく曲がる地点に作られ、突き当たって流れを変えた水が第1水門、第2水門を経て玉川上水に流れ込んでいきます。「投渡し堰」という丸太、そだ、砂利で作られた堰は増水時に流すことができ、江戸時代からの技術を継承しています。ここが玉川上水の始点であり、46億年ウォークでは地球が誕生した46億年前(冥王代)にあたります。

 

リーさんから「目に見えない世界を想像してみよう。地球に初めて生まれた小さな生命を『玉くん』と命名し、自分とのつながりを考えてみたい」というお話があり、いよいよ地球と生命の時間を感じながら歩く旅が始まりました。

 

第3水門を経てしばらくは気持ちのよい遊歩道を進みます。宮本橋のところからちょっと寄り道して、田村酒造(嘉泉蔵元)さんのお庭を拝見しました。かやと橋の先はしばらく上水沿いの道がなくてわかりにくいため、配布されたリーさん手書きの地図を頼りに進みます。

 

水喰土公園

1時ごろ水喰土公園に到着。ここでお弁当を食べ、高世仁さんのコスモロジー(地球史)のお話に耳を傾けました。

 

「地球という星の誕生は祝福されていました。水に恵まれていたからです。地球は『水の惑星』とよく言われますが、実は水の量は0.02%しかありません。しかし、液体の水があったことがとても重要です。水が液体になる条件を満たす星はあまりありません。地球は希少な『液体の水の惑星』なのです。

 

地球に一番多い物質は何でしょう? 鉄です。地球の重さの約3分の1もあります。中心部分に大量の鉄があるために磁場ができ、その磁場がバリアとなって太陽線を遮っています。そのおかげで、深海で誕生した生命は水面付近に上昇することができ、光合成を始めました。生命はこうして進化し、星の中でできたさまざまな元素から私たちの身体が作られました。私たちは星の子なのです。」

 

続いて小林さん・福世さんにペットボトルを使ったサイフォンの実験を見せていただきました。玉川上水と残堀川が交差する地点で、残堀川はこの原理を使って地下に潜り、再び地上に現れます。参加者の皆さんがいろいろなことを持ち寄ってくださるのもこのウォークの魅力です。

 

拝島駅あたりで生命誕生、始生代に入る

水喰土公園は拝島駅の近くにあります。羽村から拝島駅までは約6㎞。玉川上水46㎞を地球史46億年に当てはめると、ちょうどこのあたりまでが生命の存在しない冥王代です。そして約40億年前、最初の生命である微生物が深海で誕生し、始生代に入ります。

 

再び玉川上水緑道。昭和の森ゴルフコース前の暗渠部分は、昭和飛行機の工場から米軍飛行場になり、後に返還されたところです。残堀川を越え、3時過ぎに本日の終点武蔵砂川駅に到着しました。

 

地球誕生と生命誕生を想像しながらゆっくり歩いた第1回。お天気に恵まれ、いろいろな人との交流を楽しめた、気持ちいい秋の一日でした。

 

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